Insects in Amber
【時代】新生代古第三紀・漸新世 【産地】バルト海
学びのキーワード:ルーペを用いた観察、古生物の研究 など
琥珀について
木の樹脂の化石(硬化した樹脂)を、琥珀とよびます。全ての樹脂が琥珀になるわけではありません。琥珀となり得る樹脂を分泌する木の多くは絶滅していますが、現在も生息している植物でいうと、ナンヨウスギ属[Araucaria] またはヒメナエア属[Hymenaea] の樹脂が琥珀となっています。
琥珀に閉じ込められた生き物たち
琥珀の中に保存されやすい生き物は、木に生息していたり、樹脂に集まったりするものです。葉、花粉、種子なども琥珀と共に化石に残ることがあります。ごく稀に、脊椎動物の羽毛や骨が保存されることもあります。
琥珀の中に保存されたDNAから恐竜を復活?
琥珀の中の昆虫からDNA を取り出して恐竜を復活させる映画がありますが、果たして本当に実現できるのでしょうか?残念ながら、それは不可能だと考えられます。
DNA は、アデニン・チミン、グアニン・シトシンという物質が“意味” をもって長く並んだもの。壊れてしまったら、その“意味” を読みとることができないのですが、521 年経つと元々あったDNA の約半分が壊れるという研究結果があります※。そこから521 年経つとさらにその半分が壊れ、680 万年後にはほぼ全てがバラバラになると考えられています。恐竜(非鳥類型恐竜)が絶滅したのは約6600 万年前。仮にDNA のかけらが残っていたとしても、それは全てがバラバラに壊れた“意味” をもたないただの物質でしかありません。一方、マンモスのDNA に関する研究は今でも続けられています。
※The half-life of DNA in bone: measureing decay kinetics in 158 dated fossils, Morten E. Allentoft et al., 2012