「進化」タグアーカイブ

「地質の日」企画web版:生物の発展と危機

みなさん! こんにちは!!

新型コロナウィルスが広がらないように、学校が休みになったり、旅行や、おおぜいの人が集まるところに行けなくなったり、「なるだけお家にいるように」と言われて、「たいくつだなあー」と思っている人も多いかもしれませんね?

わたしたちは、毎年5月の「地しつの日」(5月10日)に、『身近に知る「くまもとの大地」』というイベントを行っているグループなんだけど、ざんねんながら、今年はかいさいすることができませんでした。

そこで、地球のことをしょうかいするウェブサイトをつくってみました。ぜひ、わたしたちがつくったサイトを見てもらって、みなさんに元気になってもらいたいと思っています。

サイトでは、例えば“きょうりゅうにはどんな仲間がいたのだろう?”や“地球はどのようにして「水のわく星」になったのかな?”など、いろいろなぎ問をとくヒントが書かれていると思うよ。中には君たちへクイズが出されたり、こんなものを作ってみよう!など、いろいろなメニューが用意してあると思います!!

みなさんがリンクされているわたしたちのグループのサイトをまわって、楽しんでもらえるとうれしいな。

わたしたちは新型コロナウィルスにきっと勝つにちがいない!
そのために必要な約束をしっかり守り、元気に学び、遊ぶことができるように!

「地質の日」くまもと実行委員会


「地球はどのように発展してきたか」熊本博物館・熊本大学
「地球には水があること」水とみどりの愛護基金
「生命はどのように進化してきたか」熊本県博物館ネットワークセンター
4「恐竜はどのように発展してきたか」御船町恐竜博物館 ◀
「恐竜時代から哺乳類の時代へ」御所浦白亜紀資料館
「地球上で起こった異変について」阿蘇火山博物館
「自然災害に立ち向かう」熊本県地質調査業協会


4 恐竜はどのように発展してきたか?

(御船町恐竜博物館)

 


もくじ

(1)きょうりゅうってどんな生き物?
(2)空をとぶきょうりゅう
(3)きょうりゅうはどのように進化したのか?
(4)きょうりゅうの病気
(5)おわりに


(1)きょうりゅうってどんな生き物?

 

さて、いきなりですが・・・、クイズにちょう戦してみましょう!

クイズ(1)
次の①〜⑥の中から、きょうりゅうを3つ選びましょう(知らない生き物がいたら調べてみてね・・;)。

こたえはこちら↓


「スズメがきょうりゅう?」と思った人は、下の説明をじっくり読んでみて下さい。まずきょうりゅうという生き物の特ちょうをみていきましょう。

きょうりゅうはトカゲやヘビと同じハ虫類です。今生きているハ虫類とはちがって、真っ直ぐつま先で立つことができる足をもっています。

でもこれはきょうりゅうにかぎられた特ちょうではありません。きょうりゅうに進化する前の一部のハ虫類がすでにもっていた特ちょうなのです。

ほねをくわしく調べると、きょうりゅうには、ほかのハ虫類とはちがう次の7つの特ちょうがあります(下の①から⑦の特ちょうは説明写真とリンクしています)。

①頭の後ろ側のきん肉がはば広い。
②ほほのほねのうしろ側がふたつにわかれている。
③首のほねの上に小さなとっ起がある。
④うでのほねのきん肉がつく部分が長い。
⑤こつばんにあながあいている。
⑥太もものほねのきん肉がつく部分がかわった形をしている。
⑦外側のすねのほねのかかとの部分のはばがせまくなっている。

こっかくを観察してみると、ふしぎな法そくを発見できておもしろいです。観察のポイントをキョウリュウが説明しています↓

〈おすすめ観察ポイント〜ティラノサウルス骨格編〉

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

生き物は子どもを産んで子孫を残します。その子どももおとなになって子どもを産みます。これをくり返すうちに、ちがうすがたの生き物になっていくことがあります。これを進化といいます。化石を調べるとどのように進化してきたかがわかります。

たくさんのきょうりゅうの化石を集めて、いろいろな特ちょうがあるかないかを調べていくと、きょうりゅうは下の図のように進化してきたことがわかってきました。このような図をけいとうじゅといいます。

〈きょうりゅうのけいとうじゅ〉

※少しむずかしい解説(大人向けです)↓
最近、獣脚亜目じゅうきゃくあもく鳥盤目ちょうばんもくが互いに近い関係にあったのではないかということが指摘され、大論争になっています。この獣脚亜目+鳥盤目は「オルニソスケリダ=鳥肢類ちょうしるい」とよばれています。

リンネ式階層分類体系では、門、亜門、上綱、綱、亜綱、、下綱、区、上目、目、亜目、下目、上科、科、亜科、上族、族、亜族、属、亜属、種、亜種という階層が使われています(太字は基本的階級)。 系統樹中の「上目」、「目」、「亜目」は、このリンネ式階層分類体系に従って表したものです。しかし、分岐学に基づいて分類する場合は、クレード名として「類」をつけて表すこともあります。クレードは、リンネ式の階層にあてはまらない場合もあります。

恐竜の分類の解説はこちら↓

スズメのそ先をたどっていくとみなさんがよく知っている小型の肉食きょうりゅうにたどりつきます。
共通するそ先からえだ分かれして進化してきた子孫は、すべて同じ仲間にふくめられますので、きょうりゅうは、「トリケラトプス、スズメ、サルタサウルスに共通するそ先からえだ分かれした子孫のすべての生き物」となります。つまり、鳥はきょうりゅうにふくまれてしまうのです。
大きさも形もずいぶんとちがう動物たちですが、どうして鳥とそれ以外のきょうりゅうが同じ仲間だといえるのでしょうか?


(2)空をとぶきょうりゅう

空をとぶきょうりゅう・・・、それは鳥です。
鳥ときょうりゅうの関係にさいしょに気がついたのはイギリスの生物学者のトーマス・ハクスリーです。しかし、この説は100年もの間、ほとんど見すごされてきました。

ThomasHenryHuxley

〈イギリスの生物学者トーマス・ハクスリー〉

1960年代にアメリカの古生物学者、ジョン・オストロムが、小型の肉食きょうりゅうデイノニクスと始祖鳥しそちょうの化石を研究し、小型の肉食きょうりゅうから鳥が進化したしょうこをたくさん発見しました。きょうりゅうは鳥のように活発な生き物だったにちがいないと考えられるようになってきました。

〈始祖鳥の化石(ベルリン標本)〉

しかし、鳥のそ先に当たるはずのデイノニクスは、白亜紀はくあき前期(古世こせい)のきょうりゅう。鳥のようなすがたをした始祖鳥は、それより3000万年以上昔のジュラ紀にはすでに生きていたので、順番がうまく説明できません。

〈デイノニクスの骨格と復元〉

ところが、1990年代になると、「鳥は、小型の肉食きょうりゅうから進化した」という考えをしょう明するかのように、鳥のような羽毛をもったきょうりゅうの化石が続々と発見されるようになったのです。そして、ついに2009年に始祖鳥の年代よりも少し古いジュラ紀後期(新世)の地そうから、小型の肉食きょうりゅうアンキオルニスが発見され、「順番のなぞ」が解けました。
Anchiornis martyniuk

〈初期のトロオドン類アンキオルニス・ハクスリイの復元画〉Matt Martyniuk / CC BY

色は北京自然博物館のリー・チュエングオ博士らが2010年に発表した研究成果にもとづいてふく元されました。きょうりゅうの色も少しずつわかるようになってきたのです。

「え?、きょうりゅうの色って、どうせてきとうでしょう?」と思った人は、キョウリュウのかい説をチェック↓

ちなみに・・・
このアンキオルニスは、中国科学院古脊椎せきつい動物古人類研究所の徐星博士シュウ・シン はかせによって命名されました。学名はAnchiornis huxleyi Xu et al., 2009。種のなまえ(種小名)にトーマス・ハクスリーの名前(huxley)が入っていますね。

〈中国科学院古脊椎動物古人類研究所の徐星博士。新種の羽毛きょうりゅうを数多く発見している(御船町恐竜博物館での国さいシンポジウムにて)。〉

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、鳥とそれ以外の恐竜にはどんな共通点があるのでしょうか?

やってみよう(1)
①鳥の絵をかいてみよう(どんな鳥でも良いです)。
②絵がかけたら、下の例のように他の動物には見られない鳥だけの特ちょうを言葉で書きましょう。
③同じようにデイノニクスとアンキオルニスの特ちょうを挙げてみましょう。

生活の仕方などもいっしょに考えてみましょう。共通する特ちょうを5つ以上挙げることができたらスゴいです。下の例を参考にして、特ちょうをたくさん見つけよう


〈羽毛恐竜の羽毛って羽なの?〉

スズメとデイノニクスの特ちょうをくらべてみるとこんな感じでしょうか・・・↓

やってみよう(2)
〜手羽先のこっかく標本づくり〜

鳥はきょうりゅう・・・、ということは、わたしが大好きなカラアゲもきょうりゅうのお肉。手羽先や手羽元はきょうりゅうのうでです。

ということで・・・、
手羽先や手羽元のカラアゲを食べて、ほねをきれいにとりだして、きょうりゅうのこっかく標本をつくってみましょう。
つくりかたはコチラ↓

目に入ったりすると、あぶない液もあります。かならず大人といっしょに作ってね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鳥は今も栄えています。鳥が持っている特ちょうの多くは、きょうりゅうから受けついだものです。「きょうりゅう(鳥以外の)」から鳥への進化。地球のれきしの中で、生き物がダイナミックに進化してきたことをわたしたちに教えてくれています。


(3)きょうりゅうはどのように進化したのか?

きょうりゅうは、三畳紀さんじょうき後期(新世:約2億3000万年前)に2足歩行の主りゅう類から進化し、6600万年前には鳥だけを残してぜつめつしてしまいました。
ところで、主りゅう類って聞きなれない言葉ですが、何か知っていますか?主りゅう類はハ虫類の中のグループのひとつです。今も生き残っている主りゅう類にはワニがいます。きょうりゅうも主りゅう類ってことは、もちろん鳥も主りゅう類ってことになります。
きょうりゅうがたん生した三畳紀後期(新世)、主りゅう類には大きく2つのグループがありました。ひとつはワニにつながるグループ、そしてもう一つがきょうりゅうに続くグループです。きょうりゅうに続くグループの中には、よくりゅうもふくまれます。

〈主りゅう類のけいとうじゅ〉

きょうりゅうに続く主りゅう類の中にはマラスクスのようにきょうりゅうにそっくりな動物もいました。このような姿をした2足歩行のハ虫類から恐竜が進化したのです。

 

〈マラスクス〉

クイズ(2)
つぎの①〜⑤のきょうりゅうを年代順にならべましょう(知らない生き物がいたら調べてみてね・・;)。

答えはこちら↓


鳥以外のきょうりゅうは、約1億6000万年もの長い間地球上で栄え、南極をふくむすべての大陸に生息していました。
大陸がい動して陸続きになったり、はなれたりすることは、きょうりゅうの進化に大きなえいきょうをあたえました。たとえば、ティラノサウルスの仲間ももともとアジアに住んでいましたが、白亜紀の中ごろに北アメリカにわたって大型化したと考えられています。そして、白亜紀の終わりには大型化したティラノサウルスがアジアにもどってきたようです。最近、そのしょうことなる化石が九州でも見つかっています。

やってみよう(3)
大陸い動の動画です。きょうりゅうが生きていた時代【TRIASSIC=三畳紀(紫)、JURASSIC=ジュラ紀(水色)、CRETACEOUS=白亜紀(黄緑)】の地球の陸の形や位置を調べてみましょう。


おおむかしの地球の地図をつくることができるサイト(英語)
もあります。


(4)きょうりゅうの病気

最近、新型コロナウイルスが流行していますが、きょうりゅうたちも病気やケガに苦しんでいたようです。
どうして、そんなことがわかるのでしょうか?

やってみよう(4)
きょうりゅうのお医者さんになってティラノサウルスをしん察してみよう!

下のティラノサウルスの頭のほねは、アメリカモンタナ州で見つかったもの。「モンタナのティラノサウルス」ってよばれている化石です。健康なきょうりゅうにはない、少しおかしなところがあるのです。どこだかわかりますか?


〈モンタナのティラノサウルス(Montana’s T. rex)。原標本はモンタナ州立大学付属ロッキー博物館にあります〉

答えはこの動画の中にあります↓

きょうりゅうのほねの化石にはケガや病気のあとがのこることがあります。
たとえば、こっ折すると、その部分がもり上がって治ることがあり、ほねが折れたあと、そのケガが治るまで生きていたことがわかったりします。

〈アロサウルスのこっ折したうでのほね(左)〉

博物館にあるこっかく標本には病気のあとが残っていることがあります。今度、博物館に行ったときにさがしてみましょう。


(5)おわりに

この記事を読んでくれた人の中には、しょうらい「きょうりゅうの研究者になりたい!」っていう人もいるんじゃないかな?

そんなみなさんにしょうかいしたい人がいます。
この写真の右から2番目の人(ちなみに、いちばん右の白いシャツのおじさんがわたしです。あ、関係ない?スミマセン;;)。
げんざい、世界で活やくする日本人のきょうりゅう研究者のひとり、宮下哲人博士です。
宮下博士は高校生の時にひとりでカナダのアルバータ州にわたり、研究者を目ざして、高校から大学、大学院へと進学しました。今もアメリカできょうりゅうや生き物の進化について研究を続けています。

宮下博士の研究はこちらのサイトでくわしくしょうかいされています。ぜひチェックしてみて下さい↓
Webナショジオ 研究室に行ってみた。「アルバータ大学 恐竜と脊椎動物の起源 宮下哲人 」

こちらは英語ですが、とても聞き取りやすいです。英語の勉強にもなりますよ(オススメ)↓
From Dinosaur Research to Evolutionary Biology Studies: Paleobiologist Tetsuto Miyashita 恐竜から進化生物学の研究まで:古生物学者 宮下哲人 March 18, 2020, NHK World-Japan

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

おおむかしの生き物たちが子孫をのこしてくれたおかげで今の地球に生き物がいます。
わたしたちヒトも同じです。化石となってしまった大昔の生き物たちは、わたしたちにつながっているのです(くわしくは特別展にて・・・。科博・コラボミュージアム「生命のれきし〜君につながるものがたり〜」開さい中^^)

きょうりゅうもわたしたちと同じように地球上で栄えた生き物のひとつです。
でも、今から6600万年前に、きょうりゅうたちは大事けんにまきこまれてしまいました。
いったいなにが起こったのでしょう?

この続きを知りたい人は「きょうりゅう時代からほ乳類の時代(御所浦白亜紀資料館)」のサイトへゴー!

ほかの話を読んでみたい人は下からえらんでね。

「地球はどのように発展してきたか」熊本博物館・熊本大学
「地球には水があること」水とみどりの愛護基金
「生命はどのように進化してきたか」熊本県博物館ネットワークセンター
4「恐竜はどのように発展してきたか」御船町恐竜博物館 ◀
「恐竜時代から哺乳類の時代へ」御所浦白亜紀資料館
「地球上で起こった異変について」阿蘇火山博物館
「自然災害に立ち向かう」熊本県地質調査業協会

 

最後までお読みいただきありがとうございました。しつ問やコメントをいただけるとしあわせます

(文・図:池上直樹、図・YouTube動画:富澤由規子)

〜恐竜から鳥への進化〜 キーワードその2:指

前回の記事「〜恐竜から鳥への進化〜 キーワードその1:サコツ」の続きです。


長い間受け入れられなかったけれど、今では多くの人が支持している『鳥は恐竜から進化した』という学説。しかしながら、2000年代に入ってもある問題が残されていました

それは、「指の種類」。

続きを読む 〜恐竜から鳥への進化〜 キーワードその2:指