2016年熊本地震、恐竜博物館再開までの101日

ドン、ダダダダダー、ユッサユッサユッサ・・・・、何の前ぶれもなく強烈な揺れが襲った。2016年4月14日午後9時26分ごろ、熊本地方を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生。御船町は震度5強、隣接する益城町では、震度7を記録した。

地震発生当時、分析室に残って仕事をしていた林学芸員は、近くにあった顕微鏡を必死に押さえ、強い揺れが収まるのを待った。地震直後の1時間は電話がほとんどつながらない状態。地鳴りと余震が続く中、直ちに館内を点検した。阪神大震災では、地震後の火災によって被害が拡大したことが頭をよぎった。翌朝から休館し、被害状況の把握に追われた。まず、図面に損傷箇所を記録し、写真を撮影した。電気・機械設備に異常がないか確認した。さらに強い余震が予想されたため、標本や機材を安全な場所に移動させた。余震も続いており、夜間待機が決まった。

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流星群は彗星からのプレゼント

 

パレオプログラムの様子
パレオプログラムの様子

2016年8月12日、パレオプログラム「星空を見上げて−ペルセウス座流星群−」を実施しました。日中は晴天にめぐまれ、極大をむかえたペルセウス座流星群の観察をわくわくしながら待っていました。しかし19時頃から少しずつ雲がではじめてしまい、観察をはじめる19時半には空一面の雲。雲の切れ間から見られないかと21時まで観察をつづけましたが、残念ながら流星を観察することはできませんでした。

流星とは「宇宙空間にある直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が地球の大気に飛び込んできて大気と激しく衝突し、高温になってチリが気化する一方で、大気や気化したチリの成分が光を放つ現象(国立天文台ホームページより引用)」です。つまり流星群は“チリの粒”が地球の大気にたくさんとびこんできて見られる現象、というわけです。そして流星の正体の“チリ”は「彗星(すいせい)」が残していったお土産です。彗星は大きさが数キロメートルから数十キロメートルのとても小さな天体で、おもに氷でできています。氷のほかに“チリ”やガスでできているので「よごれた雪だるま」といわれることもあるようです。よごれた雪だるまと聞くとすこし汚いイメージがありますが、実際に夜空で観察する彗星はとてもきれいですよね。この彗星が通ったあとには彗星由来の“チリ”がのこり、“チリの帯”となります。この“チリの帯”と地球の軌道がぶつかるところで流星群が見られる、というしくみです。

彗星(すいせい)がのこす”チリの帯”
彗星(すいせい)がのこす”チリの帯”

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