プロになおしてもらった恐竜時計、ついに体験交流室に

 

教育イベントやわくわく体験教室を実施する、2階の体験交流室。2016年4月に発生した熊本地震の影響により博物館は休館していましたが、7月24日の再開にあわせて、この部屋に「恐竜時計」を設置しました。恐竜時計1旧館時代にいただいた手作りの時計です。地震後に確認したところしっぽの部分が折れてしまっていたので、修理のプロでもある当館のプリパレーターにお願いして時計をなおしていただきました。

恐竜時計2

写真中、赤い点線でかこってあるあたりが折れてしまっていたのですが、もうどこが壊れていたのかわからないですね。ご興味のある方はぜひ実物で、プリパレーターによる修復技をご覧ください。

 

 

 

ちなみに今回の修理に使用した接着剤はこちら。化石の標本を修復するときにもつかう接着剤です。

時計の修復に使用した接着剤。標本の修復にも使います。
時計の修復に使用した接着剤。標本の修復にも使います。

地震でアクロカントサウルスの頭骨が落ちて割れてしまったのですが、その修復にもこの接着剤がつかわれました。頭骨を修復したさいには、この写真にある接着剤(充填剤 兼 接着剤として使用)のほか「シアノアクリレート(瞬間接着剤として使用)」「エポキシパテ(充填剤 兼 接着剤として使用)」もつかったそうです。プリパレーターの方に化石の標本を修復するときのコツを聞いたところ、「壊れた破片をパズルのように組み立てるとき、本体とどう合わさるかを考えながら組み立てること。そして接着する順番が大切。つまり、接着する順番を間違えると本体とくっつかなくなる。」とのこと。粉々になった化石の標本をパズルのように組み立てる…まさに職人技です。

文・撮影 富澤由規子