化石を調査してみよう! 〜ジオスクール「化石調査体験」〜

さっそくですが、この岩石の中から化石を探してみましょう

表面をよ〜く観察すると…(※写真の一部を加工しています)

いかがでしょうか?

修正液で白くかこったところに「ワニの歯の化石」があります。

こんなところに化石が…!(※1枚目の写真では白い印を消しています。)
拡大すると…たてにスジの入った歯があるのがわかりますね。

 

2021年3月28日(日)に実施したジオスクール「化石調査体験」では、過去に実施した天君あまぎみダム(御船町)での発掘調査の残りの岩石を、ハンマーは使わずにルーペだけで(!)調査していただきました。

最初は

「こんな小さな石ころに化石なんて入っているの?!」

と思われる方が多かったようですが、調査を開始して10分ほど経過すると、続々と化石が発見されました。

冒頭にあるワニの歯の化石以外にも、魚のウロコの化石や、うんちの化石(コプロライト)、琥珀こはくも!

これは魚のウロコの化石。実際にみると、キラッと輝いています。

 

今回ご用意した岩石は9000万年前のもの御船層群上部層の岩石です。


[御船層群]

御船層群は地層を構成する岩石の種類によって、3つの層「基底層」「下部層」「上部層」にわけられています。「基底層」は扇状地のような環境でできた層(陸成層)、「下部層」は河口や浅い海でできた層(浅海成層)、「上部層」は河川や湖沼でできた層(陸成層)です。上部層からは、恐竜はもちろん、翼竜・ほ乳類・魚・ワニ・カメなど、様々な化石が発見されています。

御船層群上部層で発見された恐竜化石の展示。上部層からは、今のところ6種類の恐竜の化石が発見されています。
御船層群上部層で発見された獣脚類の足跡化石。「この場所を恐竜が歩いていたんだなあ!」と実感がわきますね。

 

さて、ジオスクール「化石調査体験」は2017年10月15日にも実施しました。少し時間がかかってしまいましたが、この時に発見された化石は、周りの岩石をけずって化石の取り出し(化石のクリーニング)を行いました。たとえば…

 

〜 骨 化 石 〜

発見時
化石のクリーニング中
化石のクリーニング完了!

 

〜うんちの化石(コプロライト)〜

発見時
化石のクリーニング完了!

 

〜魚のウロコの化石〜

発見時
化石のクリーニング完了! (この写真はウラから見たところです。“ガーのなかま”のウロコかな?)

 

〜スッポンモドキの甲羅の化石〜

発見時
化石のクリーニング完了! (スッポンモドキの尾板骨(びばんこつ)!)

 

『すごい!』『化石のクリーニングをやってみたい!』と思われた方は、2021年10月24日に実施予定のパレオプログラム「化石のクリーニング」がオススメです。ハンマーとタガネを使った化石のクリーニング方法を学びつつ、実際にクリーニング体験もできますので、ぜひご参加ください。

※学習プログラムは事前予約・先着順なのでご注意ください。また、イベント内容や日程は変更になる場合がありますので、最新情報は当館HPをご確認ください。

みなさんに調査していただいた化石は、発見者のお名前とともに、博物館の“資料”として収蔵庫で大切に保管し活用いたします!

 

さて、博物館の“資料”といえば…

2021年4月1日から開催中の企画展「恐竜博物館のコレクション」展では、収蔵資料の一部を大公開!5月9日まで開催しています。密をさけながら…ではありますが、みなさまのお越しを心よりお待ちしております。

2021年4月1日〜5月9日まで「恐竜博物館のコレクション」展を開催中です♪

 

文:富澤 由規子、写真:キャプレール ダヴィッド・富澤 由規子

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