常設展示で個人的にお気に入りの場所。それはこちらです。
この場所に立って矢印の指す方向をみると、そこには…
ティラノサウルスがこちらを見ています。身長157cmの筆者が目の前に立つと、ちょうどティラノサウルスと目線が一緒になり迫力満点です。身長の低いお子様はティラノサウルスを見上げるかたちになり、まるでティラノサウルスに噛みつかれそうな、迫力ある光景がみられることと思います。
常設展示の中心にある恐竜大行進にティラノサウルスの全身骨格がありますが、頭骨の細かいところまでは少々見づらい…そんな時は今回ご紹介したこの頭骨の観察がおすすめです。
さらに注目していただきたいポイントは「歯」です。
よく観察すると…歯の下に何かポコっとあるのが見つかります。一体これは何でしょうか?
———正解は、「はえ変わるための次の歯」です。ヒトは乳歯から永久歯に変わるときの1回だけ歯がはえ変わりますが、恐竜の場合は何回でも歯がはえ変わります。御船町で発見された日本初の肉食恐竜化石「ミフネリュウ」の歯は、はえ変わるときに抜けおちた歯が化石になったものだと考えられています。
何気なく見ている展示物でも、じっくり観察すると何か面白い発見があるかもしれません。展示物をみて気になったことがあれば、どうぞ遠慮なく博物館のスタッフにお声かけくださいね。
文・写真 富澤由規子