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宇土半島の地質
宇土半島には、中生代白亜紀の堆積岩とそれに不整合で重なる新生代古第三紀の堆積岩類が分布している。さらに、これらを覆って新生代新第三紀から第四紀にかけての火山岩類が分布している。また、一部には阿蘇火砕流堆積物が見られる。
〈使い方〉
1.野外観察学習で、地層の重なり方の規則性やその広がりなどを見いださせ、地層の調べ方を習得させる。
2.地層の観察結果や採集した化石・岩石などの資料を基にして、地層の成因・堆積環境・生成年代などを推定させる。
〈教材と指導〉
○宇土市下網田町御輿来〜赤瀬町平岩(御輿来海岸)の野外観察学習
姫浦層群、赤崎層、不整合面を観察する。
(1)ふとん岩
御輿来海岸のふとん岩にスランプ構造を見ることができる。布団を折りたたんだように見えるふとん岩は、地震などに起因する海底地滑りに伴って、未固結の地層が曲がったものである。
(2)砂岩泥岩互層
数cm〜数十cmの厚さで砂岩と泥岩が交互に重なっている砂岩泥岩互層が見られる。これは海底扇状地や陸棚斜面などで発生した乱泥流(混濁流)によって堆積したタービダイト(乱泥流堆積物)である。差別浸食で「洗濯板」状になっている。
(3)級化成層
砂岩層の下部の粒子が粗く上部に向かうにつれて連続的に細粒化する級化成層が観察される。これはタービダイトなどに特徴的な構造である。この級化成層は地層の上下判定に利用できる。
(4)生痕化石
砂岩泥岩互層中の砂岩上面には、生痕化石が見られる。これは、堆積当時の海底に生息していた生物が移動した跡であると考えられている。
(5)不整合
姫浦層群の砂岩泥岩互層を赤崎層の礫岩が不整合で覆っている。これは、姫浦層群が堆積後に隆起して陸になり浸食され、その後赤崎層が堆積したことを示している。